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ホームページのアクセシビリティ義務化、実際に分かる4項目の違い

著者: マサシ読了時間: 7分
ホームページのアクセシビリティ義務化、実際に分かる4項目の違い

こんにちは、マサシです。

国・地方公共団体のサイトならAA準拠が求められますが、民間企業のサイトは今のところ努力義務です。

義務になったのは「合理的配慮の提供」であって、ウェブアクセシビリティの確保そのものではないからです。

「ホームページもアクセシビリティ対応をしないといけなくなった」という見出しを、見かけたことはありませんか。

私も最初は、文字の色とコントラストを、画面を見た感じだけで決めていました。

こうした見出しの記事は増えていますが、条文を確かめると少し違う話になっています。

同じ法律の説明なのに、サイトによって書き方が違うこともありました。

「義務化」と書いてあったり、「努力義務」と書いてあったりします。

結論:国・地方公共団体のサイトならAA準拠が求められる、民間企業のサイトなら努力義務にとどまる

この分かれ目を知っておくと、「うちのサイトは義務化の対象なのか」と不安になる必要がなくなります。

障害者差別解消法そのものは、2016年4月1日から施行されています。

2024年4月1日の改正で、対象が広がりました。

民間事業者にも、障害のある人への「合理的配慮の提供」を義務づけています(https://business.ntt-east.co.jp/column/bizdrive/web-accessibility-now-mandatory.html)。

ただし、義務になったのは個別の配慮であって、ウェブサイトの技術的な基準そのものではありません。

ウェブアクセシビリティの確保は、法律の中では「環境の整備」に位置づけられていて、こちらは努力義務のままです。

「義務化」という見出しが広まった背景には、この2つの条文を分けずに説明している記事が多いことがあります。

合理的配慮の提供(法第8条2項)は義務です。

ウェブアクセシビリティという環境の整備(法第5条)は努力義務にとどまります。

この2段構えの法律だと分かれば、見出しだけで不安になることは減ります。

一方、公的機関には総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン」があります。

日本産業規格JIS X8341-3:2016のAおよびAAの基準を満たす「AA準拠」の対応が求められています(https://www.soumu.go.jp/main_content/000479161.pdf)。

この「AA準拠」は、先ほどの2つの条文とは別に、公的機関だけに向けて示されている基準です。

公的機関と民間企業を4項目で比べる

実際に何が違うのかを、4項目で比べてみました。

比べる項目国・地方公共団体のサイト民間企業のサイト
ウェブアクセシビリティ対応そのもの環境の整備として努力義務(法第5条)同じく環境の整備として努力義務(法第5条)
具体的な基準への対応JIS X8341-3:2016のAA準拠が求められる(総務省ガイドライン)法律上は具体的な基準への義務なし
合理的配慮の提供義務(法第8条2項)義務(2024年4月1日の改正で対象に追加)
対応しなかった場合の罰則環境整備の部分に罰則の規定なし同じく罰則の規定なし

表の出典は、改正障害者差別解消法と総務省のガイドライン(https://www.soumu.go.jp/main_content/000479161.pdf)です。

あわせて、NTT東日本の解説記事(https://business.ntt-east.co.jp/column/bizdrive/web-accessibility-now-mandatory.html)も参照しました。

国・地方公共団体のサイトと民間企業のサイトで、アクセシビリティ対応の違いを4項目に分けて示した比較図

どちらを選ぶかの分かれ目

表のうち、実務で効いてくるのは「具体的な基準への対応」と「合理的配慮の提供」の2行です。

公的機関のサイトを作る場合は、総務省のガイドラインに沿う設計が前提になります。

具体的には、JIS X8341-3:2016のAA準拠を満たす設計です。

民間企業のサイトであれば、基準そのものへの適合は任意です。

ただし、個別の訴えがあれば話は別です。

問い合わせフォームが読み上げソフトで使えない、といった訴えには、合理的配慮として対応する必要が出てきます。

文字を極端に小さくしていたり、色だけで情報を区別していたりすると、こうした訴えの対象になりやすいところです。

たとえば「赤い文字だけが注意事項」という表現は、赤と緑の区別がつきにくい人には伝わりません。

色だけに頼らず、文字や記号でも同じ情報を伝えるようにしておくと、個別の訴えが来る前に防げます。

罰則が無いからといって後回しにしてよい話でもなく、問い合わせ対応の手間が増えるかどうかの違いだと考えています。

海外向けに販売や予約を受け付けているサイトは、事情が変わります。

EUの欧州アクセシビリティ法など、別の国の規制が関わってくる場合があるからです。

その場合は、対象のサービスや免除の範囲を、その国の公式情報で別途確認したほうが確実です。

以前の選び方をやめた理由

以前は、文字の色とコントラストを、画面を見た感じだけで決めていました。

見た目で十分だと思っていても、実際にコントラスト比を測ると基準を下回っていることがありました。

WCAGの達成基準1.4.3には、具体的な数値の基準があります。

通常の文字は4.5:1以上、大きな文字は3:1以上のコントラスト比を確保するとされています(https://www.mod.go.jp/j/info/accessibility/2025/24/1.4.3.html)。

薄いグレーの文字を白背景に乗せる配色は見た目には洒落ていますが、測ってみると2:1台だったこともあります。

今は、配色を決める前にコントラストチェッカーで数値を測ってから採用するようにしています。

目で見た感覚だけで決めるのは、やめました。

数値で確認する手間は、慣れれば配色を決めるたびに数分で終わります。

迷ったときの決め方

迷ったときは、まず運営しているサイトが公的機関のものか、民間企業のものかを確認してください。

公的機関であれば、総務省のガイドラインに沿ってAA準拠を目指すのが前提になります。

条文と解説記事を読み比べて確認しました。

民間企業であれば、今すぐ基準に合わせる法律上の義務はありません(https://business.ntt-east.co.jp/column/bizdrive/web-accessibility-now-mandatory.html)。

ただ、気づいた箇所から直していく形で十分です。

問い合わせフォームの読み上げ対応や、文字サイズと色の組み合わせが分かりやすい入り口になります。

一度に全部を直そうとすると、後回しになりがちです。

まずはトップページと問い合わせフォームの2か所から見直すくらいが、ちょうどよいと考えています。

取引先や委託先から聞かれたときも、自分のサイトがどちらの立場にあるかを答えられれば、話がかみ合います。

「義務化された」という見出しだけを見て身構えるより、自分のサイトの立場を先に確かめるほうが、落ち着いて判断しやすくなります。

自分でやるのが不安なときは

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