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デジタル化・AI導入補助金2026、建設業の450万円枠は3年縛り・準備は2週間

著者: マサシ読了時間: 16
デジタル化・AI導入補助金2026、建設業の450万円枠は3年縛り・準備は2週間

こんにちは、マサシです。

建設会社さんの事務の相談を受けていて、「IT導入補助金って今どうなってるんですか」と聞かれました。

その場で公式サイトを開いたんですが、名前が違っていたんです。

デジタル化・AI導入補助金2026

2026年度から、IT導入補助金はこの名前になっていました。

制度が消えたわけではなく、看板の掛け替えです。
ただ、名前が変わると検索でたどり着けなくなるので、まずここでつまずいている会社が多いだろうなと思いました。

そのまま公式ページと公募要領(52ページのPDF)を全部開いて確認したので、建設・電気工事の会社が知っておくべきところをまとめます。

先に結論:金額より先に見るべきものが3つあります

出典はこの3つとも、公式サイトの各ページと、通常枠の公募要領(2026年5月15日更新版)です。

次の締切は最後ではありません。8月25日は4回目で、そのあと5次・6次が予定されています
450万円を狙うと、賃上げが3年ついてきます。達成できないと返還を求められます
交付決定の前に契約・発注すると、1円も出ません。ここが一番多い取りこぼしです

金額の話(最大450万円)はどのサイトにも書いてあります。

でもこの3つは、公式サイトの補助額の表を見ているだけでは出てきませんでした。
公募要領のPDFを開いて、はじめて書いてあった内容です。

※この記事は2026年8月17日に、公式サイトと公募要領(2026年5月15日更新版)を開いて確認した内容です。
補助金の要件は年度の途中でも改訂されます。
申請の前に、公式サイトの最新版をご確認ください。

8月25日は「1次締切」ではなく「4次締切」でした

公式サイトのスケジュールを見て、最初に引っかかったのがここです。

デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の公式ページ。「4次締切分」として、締切日2026年8月25日(火)17:00、交付決定日2026年10月7日(水)(予定)、事業実施期間は交付決定〜2027年3月31日(水)17:00(予定)、事業実績報告期限2027年3月31日(水)17:00(予定)と表示されている

締切日のところに大きく「2026年8月25日(火)17:00」と出ています。

その左に小さく「4次締切分」と書いてあります。

事業スケジュールのページでは、締切が1次から6次まで畳まれた状態で並んでいます。
開いてみないと日付が出てこないので、たまたま開いている回の日付を「これが締切だ」と読んでしまいやすい作りでした。

実際の日程はこうなっています。

締切回締切日交付決定日(予定)事業実施期間の終わり
1次2026年5月12日(火)17:002026年6月18日(木)2026年12月25日
2次2026年6月15日(月)17:002026年7月23日(木)2027年1月29日
3次2026年7月21日(火)17:002026年9月2日(水)2027年2月26日
4次2026年8月25日(火)17:002026年10月7日(水)2027年3月31日
5次2026年9月29日(火)17:002026年11月9日(月)2027年4月30日
6次2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)2027年5月31日

通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は、この日程が共通でした。

いま慌てて8月25日に間に合わせなくても、9月29日と10月30日があります。

このあと書きますが、準備の都合を考えると、多くの会社にとって現実的なのは5次(9月29日)です

補助率と金額は2段階です

デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の公式ページの補助率・補助額の表。補助率1/2以内・2/3以内※1、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下。注記として、令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合の補助率は2/3以内と書かれている

通常枠の中身を整理すると、こうなります。

出典は通常枠の公式ページ(補助率・補助額)と、公募要領の補足2です。

1プロセス以上4プロセス以上
補助額5万円以上150万円未満150万円以上450万円以下
補助率1/2以内(条件を満たせば2/3以内)同左
賃上げ目標加点項目達成しなければならない条件

補助率が2/3に上がる条件は、最低賃金ぎりぎりで雇っている従業員が全体の30%以上いた月が3か月以上ある場合です(出典: 同じ表の注記)。

ここは自社の給与台帳を見ないと判断できないので、事務の方と一緒に確認するところになります。

うちは3人でやってる電気工事なんですけど、大きいほうの枠を狙ったほうが得ですよね?

その判断は、次の章を読んでからにしてください。

金額が大きいほうには、条件がついてきます。

450万円の枠を選ぶと、賃上げが3年ついてきます

公募要領のPDFを開いて、いちばん驚いたのがここでした。

以下はすべて、出典が通常枠の公募要領(公式サイトからダウンロードできます)です。

補助金申請額が150万円〜450万円の区分では、賃上げ目標が加点ではなく、満たさなければならない条件になっています。

そして達成できなかったときの扱いも、はっきり書いてありました。

策定した賃金引上げ計画目標が事業計画終了時点で達成できなかった場合(事務局へ期間内に報告をしなかった場合も含む。)は、補助金の返還を求める。

(デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領 12ページ)

返還の額も具体例つきで書かれています。

450万円を受け取った会社が、1年度目で賃上げ目標を達成できなかった場合は、全額の450万円を返すことになります。

2年度目で未達なら300万円、3年度目で未達なら150万円です(出典: 同じ公募要領12ページの返還額の具体例)。

効果報告は3年間続きます。

450万円の枠は、「もらって終わり」ではなく「3年間、賃金を上げ続けると約束して受け取るお金」でした。

付加価値額の伸びが年平均1.5%に届かなかった場合や、天災など会社の責任ではない理由がある場合は返還を求めない、という逃げ道も書いてあります。

ただ、その判断をするのは事務局です。

職人さんの入れ替わりが激しくて人件費が読みにくい会社だと、ここは慎重に考えたほうがいいと思っています。

もうひとつ、見落としやすい注記がありました。

IT導入補助金2022から2025までの間に交付決定を受けたことがある会社は、5万円〜150万円未満の区分でも賃上げが条件になります(出典: 公募要領の補足2の注記)。

前に一度使ったことがある会社は、金額に関係なく賃上げがついてくる、ということです。

建設業には専用のプロセスが用意されています

「4プロセス以上」と言われても、何を4つ数えるのか分かりにくいと思います。

公募要領の別紙2「業種・プロセス一覧」に一覧があって、建設・土木業には専用の枠(建P-06)がありました。

中身はこうです(出典: 同じ別紙2)。

・点群データ解析(測量、地盤解析)、構造、写真測量
・点群データ処理(3Dモデル作成、オルソ画像作成、ドローンマッピング)
・CAD(設計、プレゼン支援、シミュレーション)
・積算、拾い出し、見積
・出来形管理、総括表、電子小黒板
・図面管理(共有、変更管理、ファイリング)
・工程管理、品質管理、写真管理、工事台帳
・施工管理(工事案件・契約、日報管理、原価管理・実行予算管理、作業員・資材手配、安全管理)
・安全衛生管理(作業手順作成・管理、巡視記録、健康チェック、グリーンファイル作成・管理、リスク評価・ヒヤリハット、教育)
・BIM/CIM対応
・省エネ性能(分析・評価)、建築確認申請書等法令提出、電子納品対応

グリーンファイル(安全書類)の作成・管理まで入っています。

元請から求められる書類仕事も、この補助金の対象に含まれているということです。

これに加えて、業種を問わない共通プロセスが5つあります。

コードプロセス名建設・電気工事だと何にあたるか
共P-01顧客対応・販売支援見込み客の管理、問い合わせ対応の記録
共P-02決済・債権債務・資金回収受注・売上請求管理、売掛・回収管理、発注・仕入管理
共P-03供給・在庫・物流資材の在庫、納品管理
共P-04会計・財務・経営仕訳、経費精算、原価の管理会計
共P-05総務・人事・給与・労務ほか出退勤の申請と管理、給与計算、有給管理、電子契約

実際に4つ数えてみます

たとえば従業員10人の電気工事会社が、事務まわりをまとめて入れ替える場合です。

・請求書と入金の管理を電子化する → 共P-02
・会計ソフトと連携して仕訳を自動にする → 共P-04
・職人さんの出退勤をスマホ打刻にして給与計算までつなぐ → 共P-05
・現場ごとの原価と工事写真を1か所で管理する → 建P-06

これで4プロセスです。

150万円以上450万円以下の区分に入る形になります(出典: 前掲の公募要領 補足2)。

ただし、繰り返しになりますが、この区分は賃上げがついてきます。

「4つ数えられるから450万円を狙う」ではなく、「3年間の賃上げを約束できるか」から決めるほうが安全です

数えられるけれど賃上げは約束できない、という場合は、自主的に150万円未満で申請することも認められています(出典: 公募要領の補足2)。

交付決定の前に発注すると、1円も出ません

補助金でいちばん多い取りこぼしがこれです。

出典は通常枠の公募要領で、3か所に分けて書かれていました。

交付決定前にITツールを契約、発注した場合は補助対象とならない。

(同 公募要領 28ページ)

交付決定前に契約、発注、納品、支払い等を行った場合は、補助金を受けることができない。

(同 公募要領 33ページ)

4次締切(8月25日)で申請した場合、交付決定は10月7日の予定です。

この日までは、ソフトの契約も、発注も、支払いもできません。

「先に入れておいて、あとから補助金を申請する」は通らない、ということです(出典: 同じ公募要領の28ページと33ページ)。

現場が忙しくて9月に入れ替えを始めたくなっても、そこは我慢するところになります。

今から間に合うか(ここが本題です)

申請の前に済ませておく手続きが2つあります。

デジタル化・AI導入補助金2026「申請を行う前に必要な手続き」の公式ページ。GビズIDプライムアカウントの取得とSECURITY ACTIONの実施が、交付申請を行う前に必要な手続きとして案内されている

GビズIDプライムの取得:公式の案内で約2週間
SECURITY ACTIONの宣言:約2〜3日

GビズIDプライムは、法人の印鑑証明書などを添えて申請するアカウントです。

発行までに2週間かかるので、ここが日程を決めます。

この記事を書いているのは8月17日です。

今日からGビズIDプライムを申請する会社は、8月25日の4次締切には間に合いません。

公式サイトにある「約2週間」から逆算すると、発行は9月に入るからです。

逆に言うと、9月29日の5次締切なら余裕をもって準備できます。

・GビズIDプライムをすでに持っている会社 → 4次(8月25日)を狙えます
・これから取る会社 → 5次(9月29日)に照準を合わせるのが現実的です

もうひとつ、忘れやすいのがIT導入支援事業者の存在です。

この補助金は、事業者が単独で申請するものではありません。

登録されたIT導入支援事業者から申請マイページに招待してもらい、その事業者と一緒に交付申請を出す形になります。

ツールも、事務局に登録されたものの中から選びます。

つまり「いつも頼んでいる業者さんに入れてもらう」ができるとは限りません。

先に、頼みたい相手が登録されているかを確認しておくところからです。

通常枠とインボイス枠、建設業ならどちらか

ここも迷いやすいので整理しておきます(出典: 公式サイトの通常枠とインボイス枠、それぞれのページ)。

まず、お金の条件です。

通常枠インボイス枠(インボイス対応類型)
補助額5万円〜450万円〜350万円
補助率1/2以内(条件で2/3)50万円以下は3/4以内(条件で4/5)、50万円超は2/3以内

出典は、公式サイトの通常枠のページとインボイス枠のページです。

次に、何が買えるかです。

通常枠インボイス枠(インボイス対応類型)
対象のソフト業務プロセスを1つ以上持つもの会計・受発注・決済のどれかを持つもの
パソコン・タブレット対象外10万円以下まで対象(補助率1/2)
レジ・券売機対象外20万円以下まで対象(補助率1/2)

出典は同じく、公式サイトの各枠のページです。

通常枠ではパソコンやタブレットは買えません。

現場にタブレットを持たせたい、事務所のパソコンを入れ替えたい、という話が混ざっているなら、インボイス枠のほうを見ることになります。

補助率も、50万円以下の部分は3/4(条件を満たせば4/5)とかなり高めです(出典: 同じインボイス枠のページ)。

会計ソフトや請求ソフトの入れ替えが中心なら、インボイス枠のほうが取りやすい場合があります。

申請の前に確認するリスト

そのまま使えるように並べておきます(出典: 公式サイトの補助対象者のページと、通常枠の公募要領)。

・自社が中小企業の範囲に入るか(建設業は資本金3億円以下、または従業員300人以下のどちらかを満たせば対象)
・GビズIDプライムを持っているか。無いなら、取得に2週間見て締切を選ぶ
・SECURITY ACTION(一つ星か二つ星)を宣言したか
・頼みたい業者が、IT導入支援事業者として登録されているか
・入れたいツールが、事務局に登録されたITツールに入っているか
・数えたプロセスは何個か(4つ以上なら賃上げが条件になる)
・3年間の賃上げを約束できるか。難しいなら150万円未満で申請する
・交付決定日(4次なら10月7日)まで、契約も発注も支払いもしない段取りになっているか
・過去にIT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがあるか(あると150万円未満でも賃上げが条件になる)

金額と条件の出典は、どれも通常枠の公募要領です。

やめたことがひとつあります

補助金を調べるときに、まとめサイトを先に開くのをやめました。

金額と締切だけなら、まとめサイトのほうが読みやすく書いてあります。

ただ今回、「450万円を選ぶと賃上げが3年ついてきて、未達なら全額返す」という話は、公式サイトの補助額の表にも、上位に出てくるまとめ記事にも見つけられませんでした。

書いてあったのは公募要領のPDFの12ページです。

金額を見て「じゃあ大きいほうで」と決めていたら、3年後に返還の通知が来ていたかもしれません。

補助金は、条件のほうが本体でした。

いまは、金額を見たら次にPDFの「返還」の文字をページ内検索する、という順番にしています。

まとめ

出典はすべて、この記事の最後に並べた公式サイトのページと公募要領です。

・IT導入補助金は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金2026」になりました
・8月25日は4次締切です。5次(9月29日)と6次(10月30日)が予定されています
・GビズIDプライムに約2週間かかるので、これから取る会社は5次を狙うのが現実的です
・建設・土木業には専用プロセス(建P-06)があり、施工管理・工事写真・グリーンファイルまで対象に入ります
・4プロセス以上(150万円〜450万円)を選ぶと、3年間の賃上げが条件になります。未達なら返還です
・交付決定の前に契約・発注・支払いをすると、補助金は出ません

出典は下に並べた公式サイトのページと公募要領です。

元請から求められる書類が増えて、事務の方が現場の電話番と請求書作りで一日終わっている、という会社は多いと思います。

その状態を補助金で一気に片づけようとすると、たいてい途中で止まります。

先に「いま何に何時間かかっているか」を並べてみると、補助金を使うべき場所と、そうでない場所が分かれてきます。

そのあたりの棚卸しからお手伝いしています。
建設・電気工事の会社向けにやっていることはこちらのページにまとめました。

安全書類まわりでつまずいている方は、グリーンサイトの登録費用をまとめた記事も参考になるかもしれません。

気になることがあればお問い合わせからご相談ください。


この記事で確認した公式の情報

※金額・要件・日程は2026年8月17日に確認したものです。
補助金は年度の途中で要件が改訂されることがあります。
申請の前に、公式サイトの最新版と公募要領をご確認ください。

なにか引っかかっていることがあれば。

サイトまわりのことなら、だいたい答えられます。

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