
目次
はじめに

WordPressは世界中のWebサイトの約40%を支えるCMSとして広く普及していますが、独自テーマを開発する際には、SEOの観点から見落としがちな重要なポイントがあります。市販のテーマやフリーテーマには最初からSEO対策が施されていることが多いですが、独自テーマを開発する場合は、すべてを自分で実装する必要があります。
本記事では、WordPress独自テーマ開発において陥りがちなSEOの落とし穴10選と、それらを回避するための具体的な対策を解説します。これらの知識を身につけることで、検索エンジンに評価される高品質なテーマを開発できるようになるでしょう。
1. 不適切なヘッダータグの使用
落とし穴
不適切なヘッダータグの使用は、SEOに悪影響を与えるだけでなく、アクセシビリティの面でも問題を引き起こします。
- 1ページに複数のh1タグが存在
- ヘッダータグの階層が適切でない(h1の後にh3など)
- 共通部分(サイドバー/フッター)にh1タグの使用
これらの問題は、検索エンジンがページの構造を理解する妨げとなり、SEO評価を下げる原因になります。
回避策
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- 1ページに1つのh1タグのみ
- 見出しは階層構造(h1→h2→h3)を維持
- テンプレートの共通部分にh1を置かない
2. 遅いページ読み込み速度

落とし穴
ページの読み込み速度はSEOの重要な要素であり、Googleのコアウェブバイタルの一部です。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- 最適化されていないJavaScript/CSS
- 大きな画像ファイル
- 不要なプラグインの実装
- データベースクエリの最適化不足
回避策
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- CSS/JSの最小化と結合
- 画像の最適化(WebP/適切なサイズ)
- 遅延読み込み(Lazy Loading)
- クリティカルCSSとブラウザキャッシュ
3. モバイル対応の欠如
落とし穴
Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイル対応が不十分なサイトはSEO評価が低下します。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- レスポンシブデザインになっていない
- モバイル表示でのユーザビリティが考慮されていない
- タッチ操作に最適化されていない
- ビューポートの設定が不適切
回避策
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- メタビューポートタグの適切な設定
- メディアクエリを使用したレスポンシブデザインの実装
- タッチターゲットの適切なサイズ設定(最低44×44ピクセル)
- モバイルでのテスト検証の徹底
4. 構造化データの欠如
回避策
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- JSON-LD形式で実装
- コンテンツタイプ別に適切なスキーマ
- パンくずの構造化データ
- 検証ツールで確認
5. canonicalタグの不適切な設定
落とし穴
canonicalタグは、重複コンテンツの問題を解決するために重要です。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- canonicalタグが設定されていない
- 誤ったURLがcanonicalとして設定されている
- アーカイブページやページネーションでのcanonical設定が不適切
回避策
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- すべてのページに適切なcanonicalタグを設定
- ページネーションがある場合は、最初のページをcanonicalとして設定
- WWWとnon-WWW、HTTPとHTTPSの統一
6. メタデータの最適化不足
落とし穴
タイトルタグやメタディスクリプションは、検索結果での表示に直接影響します。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- タイトルタグが長すぎる、または短すぎる
- メタディスクリプションが設定されていない
- キーワードの詰め込みすぎ
- 各ページに固有のメタデータが設定されていない
回避策
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- タイトルタグは50〜60文字以内に収める
- メタディスクリプションは150〜160文字以内に収める
- 各ページに固有のメタデータを設定
- キーワードは自然に含める
7. URLの最適化不足

落とし穴
URLの構造はSEOに大きな影響を与えます。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- 複雑すぎるURL構造
- URLにIDや意味のないパラメータが含まれている
- 日本語などの非ASCII文字がURLに含まれている
- URLの一貫性がない
回避策
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- シンプルで意味のあるURL構造を採用
- カテゴリやタグを含めたURLの設計
- 日本語などの非ASCII文字はURLから除外
- 301リダイレクトを使用して古いURLを新しいURLにリダイレクト
8. 画像の最適化不足
落とし穴
画像はページの読み込み速度に大きな影響を与え、また画像検索からのトラフィックも重要です。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- alt属性が設定されていない
- 画像サイズが最適化されていない
- 画像のファイル名が意味のないものになっている
- 画像の遅延読み込みが実装されていない
回避策
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- すべての画像にalt属性を設定
- 画像を適切なサイズに最適化
- WebPなどの最新フォーマットを使用
- 画像の遅延読み込みを実装
9. 内部リンク構造の問題
落とし穴
内部リンク構造は、検索エンジンがサイトの構造を理解するのに役立ちます。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- 内部リンクが少なすぎる
- リンク切れが放置されている
- 重要なページへのリンクが不足している
- アンカーテキストが最適化されていない
回避策
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- 関連記事機能の実装
- パンくずリストの設置
- サイトマップの作成
- 定期的なリンク切れチェック
10. JavaScriptへの過度の依存
落とし穴
JavaScriptは動的なコンテンツを提供するのに役立ちますが、SEOの観点からは注意が必要です。独自テーマ開発では以下の問題が発生しがちです:
- 重要なコンテンツがJavaScriptに依存している
- クローラーがJavaScriptを実行できない場合の対策がない
- JavaScriptの読み込みが遅い
- 非同期読み込みが実装されていない
回避策
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- プログレッシブエンハンスメントの採用
- 重要なコンテンツはHTMLで提供
- JavaScriptの非同期読み込み
- サーバーサイドレンダリングの検討
まとめ
特に重要なのは以下のポイントです:
- 適切なヘッダータグ
- 表示速度最適化
- モバイル対応
- 構造化データ
- canonicalの適切な設定